ぺトリコール

 

 

 

『わたしはあなたが好き』という目に見えない曖昧なきもちの輪郭をなぞって掴む、というのはとても難しい作業だなあ、と思う。けれどその世界一難解でぐにゃぐにゃに捻れてしまうことの多いそのきもちを伝える術はどうやらこの世にたくさんあるらしい、と気づいたのは、わたしの世界に元木湧さんが現れた日がはじまりだった。わたしの世界に、みるみるうちに色がついた。

 

 

 

湧ちゃんを沢山テレビで見るようになってから、色んな人に湧ちゃんのどこが好きなの?とよく聞かれるようになった。特にこの1年は多かったなあと思う。

どこが好き…って、考えるけど、簡潔に表す言葉がいつも見つからない。アイドルの道を全うする覚悟が好きだし、その場をパーッと明るくする太陽みたいな輝きが好きだし、自分らしさを忘れない真っ直ぐさが好きだし、夢を語り実現していくその強さが好きだし、仕事への真摯さが好きだし、直視できないほどの眩しさが好きだし、柔らかく暖かく心に光を宿してくれるような言葉が好き。人との距離の取り方の器用さが好きだ。どこにいてもわかるような突き抜けるような声が好きだし、ステージに立ったときのまっすぐに未来を見据えるような瞳も特別。ファンのことを考えてくれて、見つめてくれて、一緒に行こうね!って手を取ってくれるような優しさが好き。 それでいて、自分のやりたいこと、楽しいことを実現することを諦めないでいてくれるところも好きだ。

 

こんなところが好きなの!ってこんなところが素敵なの!ってもっともっと聡明で的確な言葉で表したいけれど、結局うまく出てこなくてもどかしい。

きっとこの好きは簡単じゃなくて、尊敬とか憧れとか慈しみとかそういう色んな気持ちがごちゃごちゃになってて、考えれば考えるほど難しくなる。でも結局“好き”って言葉を心の中で呟く度に、その言葉に特別な要素がぎゅっと集まって詰まっているんだろうなあと思う。好き。湧ちゃんのそういう可愛くて愛おしくて逞しくて眩しいところが好き。湧ちゃんが好き。

 

あげればキリがないくらい、わたしは湧ちゃんのことが、ほんとうに毎日毎日、飽きれるくらい、すきなのだ。泣きたいくらい、すき。

 

そんなわたしが世界一だいすきなひとが今日、20歳になった。

 

元木湧くん、20歳のお誕生日おめでとうございます。またひとつ、湧ちゃんとの歳の差が遠くなってしまいました。

 

 

一つ年をとるということは、山頂に届いた時に自分の歩いてきた道を眺めている気分と似ていると思う。19歳の1年間、あなたがたくさんたくさん笑ってくれていたから、わたしはほんとうに嬉しかった。あなたは痛みを伴っても、変わらない為に変わり続けた。ちょっと憎んで呪ってしまってた、時間やしがらみを、あなたの笑顔はすべて水に流して許してくれた。素晴らしく美しい日々をくれた。

寂しくて心細くて何度も心がめげてしまった一年だったけど、それでも前を向けたのは、湧ちゃんがいつでもわたしの光であり続けてくれたからです。湧ちゃんの写真をお守りにして就活に励んだり、疲れて帰宅した時にテレビから湧ちゃんの声が聞こえて思わず笑ってしまったり、そういう瞬間が、アイドルを好きでいてよかったなって思える瞬間が沢山あった一年だったなあ。寂しくない、は嘘になってしまうけど、湧ちゃんがこれでもかと光って、目にとまる輝きで、今までよりももっと“そこ”にいてくれたから、特別な瞬間が沢山あったよ。

 

これからも湧ちゃんが見せたいもの、やりたいこと、嬉しいこと、幸せを感じること、そういうもののうちの幾つかが、少年忍者として、アイドルとして仕事をする自分自身の姿に綺麗にぴったりと重なってくれていたら嬉しい。好きになったのはそもそもこっちの勝手で、応援してることだってこっちの勝手なのに、オタクってなんて一方的で無力でそれなのに身勝手なんだろうって思うことも多々あるけど、私が傾けた愛情や心情の揺らぎのどこかに、湧ちゃん自身の幸福が交わってくれていたら、本当にもうそれだけでいい。虚像を愛しているってわかってるくせに厚かましいことだけど、生身の人間としての幸福にもほんの少しだけでいいから作用していたかったのは、私がたった1つだけ見た「夢」の話です。

 

 

19歳の湧ちゃん、沢山沢山ありがとう。毎日を明るくしてくれてありがとう。今日もまた、湧ちゃんのことが好きでよかったって思う。どれだけ言っても足りないけど、湧ちゃんが好きです。

 

 

あなたが好き、という気持ちを伝える術はこの世の中に数あれど、わたしは未だに彼を見ると自分のなかでうまく気持ちに整理をつけて表現することが出来なくなる。ただただ泣きたくなってしまって、泣き笑いのぐちゃぐちゃな顔をして、やっとの想いで生み出す言葉のそれが、もう100万回は呟いた『好き』の二文字になってしまう。

 

わたしはこれからもずっと、彼に夢を見るのだ。彼を道標にして、終わりの見えない夜間飛行の旅を続ける。永遠に埋まることのないわたしとあなたの歳の差が、近づき離れる度に嬉しくって微笑む。はち切れんばかりの想いが胸を満たして、またいつものように泣きながら笑って零すのだ。何度目か分からない溜息とともに、『すきだ』と。

 

どうか20歳の1年もあなたが『しあわせだ』と言葉にすることの出来る日が多くありますように。あなたに聴こえる声のすべてが、美しく楽しい歓声でありますように。季節の移ろいを、肌で感じてにっこり笑えますように。星座盤のごとく輝く瞳が、もっときらきら輝きますように。

 

 

湧ちゃんのどこが好きなの?の答えを簡潔に言える日はきっとこないし、見せてくれる景色の、表情の、その美しさをほんの少しだって上手に言葉にできないけれど、好きの気持ちを大事にしながら、こんなにも湧ちゃんって素敵なんだよ!って言っていたい。好き!って言っていたい。 

 

お誕生日おめでとう!20歳の湧ちゃん。

湧ちゃんのかわいさが、格好良さが、明るさが、愛が、沢山の人に伝わりますように。

 

 

あしたからの1年も、湧ちゃんに優しい陽がのぼる1年でありますように。

湧ちゃん、だいすき!

 

2021.11.26